起源説等
中国伝来の食品で、16世紀に編纂された『本草綱目』によれば紀元前2世紀、前漢時代の淮南王(わいなんおう)・劉安(りゅうあん)にちなむともいう。しかし、前漢に原料の大豆はなかったとも言われる。日本へは奈良時代に遣唐使によって伝えられたともされるが、それ以前に伝わっていた可能性も大きい。
「腐」の字は本来『納屋の中で肉を熟成させる』という字義から転じて、柔らかく弾力性があるものを意味するものであったが(納豆の名称由来も参照のこと)、日本では食品に「腐る」という字を用いることを嫌って、豆富や豆冨などと記すこともある(日本の豆腐は発酵していない。すなわち腐っていない。中国には豆腐を発酵させた食品もある)。豆腐を好んだ作家泉鏡花は、極端な潔癖症でもあったことから豆府と表記した。味噌汁や粕汁や鍋料理の具材などとして、日本では非常に一般的な食品である。また、中国においても日本以上のさまざまな豆腐があり、各種の料理が作られている。韓国、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマー、インドネシアなどでも日常的に食べられている。また、アメリカなどでも以前から一定の人気があったが、今日では多くの食料品店で売られており、tofu 自体も英単語として定着している。古来中国でも肉と比較し身近な食材として、また様々な文学でも親しまれてきた(2世紀には原型が登場したという中国の古典「笑府」には、豆腐にまつわる笑い話が豊富に納められている)。